私はずっと、お母さんに依存していました。
お母さんがいないと不安でいっぱいで、兄弟と一緒に楽しそうにしているのを見ると、なぜかイライラしてしまっていました。
「お母さんは私だけのもの」そう思ってしまう自分がいました。
子どもの頃の甘えだけじゃなく、心のどこかにずっと「誰かに頼りたい」「守ってほしい」という気持ちが残っていたんだと思います。
本当は、お母さんと二人きりで過ごす時間を大切にしたかった。
素直に甘えたかった。
それなのに、なぜか冷たくしてしまったり、不機嫌になったりしてしまう。
そんな自分が怖くて、夜、布団の中で泣いたこともありました。
自分の気持ちをうまく言葉にできなくて、それが態度や機嫌として出てしまう。
素直になれない自分がもどかしくて、苦しかった。
そのうち、自分の感情を押し込めて、無理に強くなろうとしていました。
本当は、助けてほしかったのに。
でもお母さんは、そんな私に怒ることなく、ただ受け止めてくれました。
きっと、心の中では傷ついていたと思います。
それでも、何も言わず、私を包んでくれました。
その優しさに、私はずっと甘えていたのかもしれません。
そんな私が変わり始めたのは、「自分の幸せな道を選んだ」ときでした。
ワーキングホリデーに行きたい。そう思った私は、母に伝えましたが、母は賛成はしませんでした。
「海外で暮らすなんて、心配だよ」「本当に大丈夫?」「やめておいたほうがいいんじゃない?」と。
それでも私は、初めて本気で自分の気持ちに向き合い、覚悟を決めました。
「自分の人生は、自分で選びたい」そう、心の底から思ったのです。
そのとき、ある本で出会った言葉が胸に深く響きました。
「お母さんが自分で幸せを掴んだように、あなたも自分で幸せを掴んでいいんだよ」
その一文は、まるで背中をそっと押してくれる魔法のようでした。
自分の幸せを、自分で掴んでもいい。
そう許された気がして、心がふっと軽くなったのを覚えています。
そこから少しずつ、私は「依存」から「自立」へと変わっていきました。
一人暮らしを始めて、知らなかった自分の強さや自由を感じられるようになりました。
もちろん、寂しくなるときもあります。お母さんに会いたくてたまらなくなる日もある。
でも、今はその気持ちも素直に受け止められるようになりました。
今振り返れば、依存していた自分も、不安だった自分も、全部私でした。
どれも無理に消す必要はなくて、受け入れて認めていくことで、私は少しずつ強くなれたのだと思います。
そして今、胸を張って言えることがあります。
「自分の幸せは、自分で掴んでいい」
誰かの期待や不安に縛られることなく、私は私の人生を選んでいい。
そう思えるようになったことが、私にとっての一番の成長です。